第29回 東京プリンセス賞(S1)

【予想】
◎ララベル
〇アイスキャンドル
▲スターローズ
△ティーズアライズ
△ジェットシティ
△ヴィグシュテラウス
△スウィートピカンテ

 勝負強い走りで重賞3連勝中のララベル。一本筋の通った良血馬で距離延長も歓迎なら、負けられない一戦とみました。相手も距離が延びて良さそうなアイスキャンドルを強調。スターローズの反撃にも警戒。

【レース】
 逃げ馬ヴィグシュテラウスがハナを主張して、追い駆けたのがゼッタイリョウイキ。外3番手にティーズアライズ、その内にララベル。アイスキャンドル、ジェットシティは中団。スターローズは後方から。ペースは平均。3コーナーでゼッタイリョウイキが先頭。4コーナーではこれを交わしてティーズアライズが先頭。内を狙ったのがララベル。この2頭の争いかと思われましたが、意外にララベルが伸びず、早目に抜け出したティーズアライズの完勝。外伸びたスターローズが2着に浮上しました。

【各馬の寸評】
1着 ティーズアライズ
 2歳優牝ではララベルとマッチレースの末、ハナ差の2着と底力を発揮。桜花賞は不慣れな左回りに加えて外枠不利で基準外。稽古の動きも上々で注目していました。この日はマイナス4キロの439キロ。馬体はキープできていましたが、ややイレ込み気味。レースは好スタートを決めて外3番手。スムーズに折り合い4コーナー先頭。最後の直線は内から一旦ララベルに迫られましたが、馬体を離して相手の勝負強さを引き出させなかったのが矢野騎手の好判断。危なげなく1着ゴールを駆け抜けました。前日の羽田盃が1分54秒6。ペースもありますが、これより速い1分54秒2もマズマズ。意外に距離をこなしそうな馬で、更に展望が開けました。

2着 スターローズ
 1コーナーでの甚大な不利を挽回したユングフラウ賞がインパクト大。ところが前走の桜花賞がよもやの9着。先行有利の馬場云々よりも、嫌気が差したとみるべきか…。追い込みの利く大井外千八に替わり、改めて注目でした。この日はマイナス7キロの468キロ。イレ込み気味だし、このところ増やしていた馬体が減ってきたのも一抹の不安。レースは出たなりで後方12番手から。無理なくポジションを上げて4コーナー9番手。メンバー最速の末脚を駆使、インで粘るララベルを交わして2着に食い込みました。きょうの気配でこの好走ですから、やはり地力が高い。次走も当然注目。

3着 ララベル
 重賞3連勝中で、トータル5戦4勝。現役A級の全姉ショコラヴェリーヌ、全兄ブリージーストームをも凌ぐ可能性を秘める好素材。特に競っての強さが特筆モノ。ここは勝ちっぷりのみ注目でした。この日はマイナス3キロの514キロ。堂々たる馬っぷり。他にイレ込む馬が多い中、悠然とパドックを周回する姿に大物感が漂います。レースは好スタートを決めて出たなりで内4番手。見た目はスムーズな走りっぷり、手応えも上々。最後の直線はポッカリ空いたインに突っ込み一旦は伸びる気配を見せましたが、途中で脚が止まって、スターローズにも交わされ3着は拍子抜け。やはりこの馬は外目をノビノビと走る競馬が似合う。どこかで外に持ち出せれば結果は違ったはず。そして馬体を合わせる形に持ち込めなかったのも不本意。次走で汚名返上を期待。

4着 ジェットシティ
 昨年このレースを勝ったスマートバベルと同じ船橋・川島正一厩舎に所属。近年連続連対している道営出身馬。前走でこの大井千八を1着。騎乗するのが吉原騎手。ララベルと未対戦のこの馬が2番人気に支持されるのは当然で、もちろん注目の一頭でした。この日はプラス3キロの454キロ。割とスッキリした体つきの馬で、少しでも増えていたのは好感。適度な気合乗り。レースは出たなりで外8番手から。序盤は脚を溜めて残り800からスパート。4コーナーでは大外4番手まで進出。勝負圏内に入りましたが、あとひと伸びを欠いて4着。これが正味の実力でしょうか。

5着 リボンスティック
 小兵ながらキレのいい走りを武器に重賞路線で毎回勝ち負け。ただし、目イチの競馬が続いているし、必ずしも距離が延びていいとも思えず印は抜きました。この日は増減なしの403キロ。決して細目感はありません。落ち着きもあり好調キープ。レースはジックリ構えて内11番手から。前走の桜花賞が、好枠を意識して先に行き過ぎ伸び悩んだので、戦法を戻したようです。直線勝負に徹して5着は、これも力通りでしょうか。これ以上の上がり目は疑問です。

14着 アイスキャンドル
 JRA3戦1勝で、ダート千七を1着。転入緒戦はユングフラウ賞4着。いかにも距離不足という走り。前走の桜花賞は、好枠を利して早目に立ち回り3着。追わせるタイプだけに、大井外千八替わりで大いに注目しました。この日はマイナス3キロの479キロ。馬体は相変わらずフックラと見せていますが、近2戦に比べるとイレ込み気味。レースは森騎手が多少気合をつけて内8番手から。道中ステッキが入り行きっぷり今イチ。余裕のない追走に終始した分、スタミナ切れで大きく失速。全く見込み違いでした。

15着 フラットライナーズ
 人気薄ながら京浜盃を2着。初コース、初距離を考えれば価値ある内容。再び大外枠ですが、無理なく好位を取れれば、再現可能とみました。この日はマイナス3キロの473キロ。京浜盃当時と変わらぬ気配で好調キープ。レースは内を見つつの先行で落ち着いたポジションは外7番手。この馬の脚質、ペースを考えるとやや後ろ。無抵抗に後退してブービー負けは案外。やはり先行してこその馬で、基本的に多頭数の外枠は不利。