2月4日に東京・目黒の目黒雅叙園『舞扇』で行われた、2009年の地方競馬で活躍した厩舎関係者を表彰する「NARグランプリ2009」。ラブミーチャンが史上初、2歳馬での年度代表馬に選ばれた。ファン、関係者約300人の出席のもと盛大に開かれた。


表彰馬の部門
 受賞馬
・年度代表馬、サラブレッド2歳最優秀牝馬、最優秀牝馬  ラブミーチャン(笠松・柳江仁厩舎)
・サラブレッド3歳最優秀馬  ブルーラッド(川崎・足立勝久厩舎)
・サラブレッド4歳以上最優秀馬  フリオーソ(船橋・川島正行厩舎)
・アラブ最優秀馬  該当なし
・ばんえい最優秀馬  カネサブラック(ばんえい・松井浩文厩舎)
・最優秀短距離馬  該当なし
・最優秀ターフ馬  該当なし
・ダートグレード競走特別賞馬  エスポワールシチー(JRA・安達昭夫厩舎)
・特別表彰馬  アジュディミツオー・タガミホマレ


表彰者の部門
 今回で節目の20回目となったが、今年から地方競馬の優れた人材をより幅広く顕彰するため、従来それぞれ1名ずつ選定されていた最優秀調教師賞、最優秀騎手賞を「最優秀勝利回数調教師賞・同騎手賞」、「最優秀賞金収得調教師賞・同騎手賞」、「最優秀勝率調教師賞・同騎手賞」に改められるとともに、グレード競走や国際競走での顕著な成績を称える「殊勲調教師賞・同騎手賞」を新設。年度代表馬のラブミーチャンの関係者、受賞者の喜びの声をまとめました。


表彰者のコメント
年度代表馬ラブミーチャン(笠松)陣営

馬主 小林祥晃氏

Q ラブミーチャンが年度代表馬に選ばれました。おめでとうございます。

A これまでまともに重賞も勝ったことがなかったで すからね。風水は効くなって思いましたし、神に感謝しています。

Q ラブミーチャンとの出会いは?
A あの馬がまだ1歳だった頃、『今年のグランド牧場の馬はいいぞ』って話は聞いていました。ただ、ラブミーチャン1頭を狙って買ったというわけではないですよ。ただ、父のサウスヴィグラスに似ているなぁって思ったんです。私、サウスヴィグラスが大好きだったんですよ。逃げ馬が大好きなんです。ラブミーチャンのように逃げる馬がね!

Q 2月12日に地元笠松で今年の初戦を迎えるそうですね。
A 当日、競馬場まで脚を運ぶつもりです。当日にトークショーも行う予定です。勝って欲しいですね。

Q その後の予定は?
A 春の目標はJRAの桜花賞です。フィリーズレビューで権利を取れればいいですね。できるだけ大きい舞台で走って欲しいし、競馬の発展のためにも頑張って欲しいと思っています。

柳江仁 調教師  (柳江調教師は殊勲調教師賞も受賞)

Q 現在の気持ちを聞かせて下さい。
A 大変光栄に思っています。5戦しましたが、いい結果を出してくれるかという希望より、ケアや調整のメニューでの心配の方が多かったですね。オーバーワークにならないよう浜口騎手とも相談して、レースに行くまではいろいろと考える日が多かったです。

Q 今年の緒戦が迫ってきましたが、調整過程については?
A オーナーのご好意もあって地元笠松で今年の緒戦を迎えることになりました。一週前に4F52秒2。スムーズな動きでしたね。本追い切りを経て、2月12日にレースを使う予定です。シッカリ仕上げていきたいと思っています。

Q 今後は芝のレースへの参戦も予定していますが、適性については?
A 血統面を含めて、一見すると短距離向きに見えますが、身のこなしは柔らかい馬。芝でも持ち味を生かして欲しいというのが希望です。頑張りたいと思います。

浜口楠彦騎手

Q この馬の能力の高さを認識したのはいつですか?
A ラブミーチャンは素晴らしい馬だね。JRAで走った時にモノが違うと思ったよ。

Q 芝の適性についてはいかがでしょうか?
A 乗っている感触からはこなしてくれると思っている。距離については、折り合いさえつけば2000Mくらいはこなせるのではと思う。

Q ラブミーチャンの魅力はどこですか?
A 素直で顔がいいよね! そして何よりもいいのは速いってところ!!普段から攻め馬もつけているけ
ど、レースに行って変わるタイプだね。勝負根性があるし、レースをわかっている感じ。

Q 2010年最初のレースが迫ってきました。意気込みをお願いします。
A 負けられない気持ちの方が大きいよね。ラブミーチャンの能力を信じて騎乗したい。



最優秀勝利回数調教師賞

角田輝也 調教師(愛知)

Q 昨年は自身の持つ最多勝記録を更新しての受賞です。感想をお願いします。
A ひとつひとつの積み重ねだと思っていますし、このような賞を頂けて感謝をしています。厩舎一丸となって今後も信頼を得ていきたいです。

Q 最多勝の記録に関して意識はしていましたか?
A 数字にこだわるというより、馬主の皆様の期待 に応えられた結果がこうしてついてきたのだと思います。勝つに越した事はありませんが、時には負けることもあります。今後も馬主の皆様の期待に応えられるように頑張りたいです。

Q いま目標とする人はいますか?
A 川島正行調教師です。



最優秀賞金獲得調教師賞

川島正行 調教師(船橋)

Q 獲得賞金5億4840万4500円。2位以下に 倍近くの差をつけての受賞ですがいまのお気持ちをお聞かせ下さい。
A 嬉しいですね。ここ数年は最優秀調教師賞を私が頂いていましたが、今年から賞の内容が改正されました。賞を獲ることで、トレーナーの意識が変わってくると思うので、今回の改正はいいことだと思っているよ。

Q 昨年は南関東の最多勝利記録も更新されました。
A いいオーナー、スタッフに恵まれたと思います。皆で一丸となって頑張った結果だと思う。

Q 4歳以上の最優秀馬を獲得したフリオーソについて、良いところを教えて下さい。
A 脚もとの弱い馬だけど、コレと目標を決めると、完治するというか状態が良くなってくれる馬なんですよ。レース向けて変わってくる。レースが近いって馬はわかっているんじゃないかと思うよ。

Q 最後に今年の目標をお聞かせ下さい。
A 戸崎騎手に続くようなジョッキーの育成を頑張りたいですね。ファンの方々が競馬場へ運んで頂ける な努力もしていきたい。そして、今年は地元の船橋でJBCが開催されるので、頑張りたいですね。



最優秀勝率調教師賞

川西毅 調教師(愛知)

Q 勝率34.8%も去ることながら、年間200回以上の出走で連対率53.2%。驚異的な数字を叩き出す秘訣はあるのですか?
A 受賞にもビックリしていますが、1頭1頭を大事にしてきた結果だと思っています。オーナーがいい馬を預けてくれた。スタッフも頑張ってくれた。人に恵まれましたね。

Q 今年の目標は?
A 通算500勝は達成したいですね。これまで同様、すべての馬に情熱を注いでいきたいし、もっと努力してベストのパフォーマンスが見せられるよう最大限力を引き出してあげたいですね。そしてオーナーの皆様のニーズにも応えていきたいと思います。ありがとうございました。



殊勲調教師賞


角川秀樹 調教師(北海道)

Q 殊勲調教師賞の受賞おめでとうございます。今のお気持ちは?
A なかなか取れる賞ではないですし、大変光栄  に思っています。

Q 昨年は2歳重賞8戦中7戦優勝。トータルで重 賞10勝をマークしましたね。
A 毎年変わったことをやっているわけではないん ですけどね。恵まれたのもあると思います。印象に残っているのは北海道2歳優駿のビッグバンですね。このレースは過去に勝ったことがなかったので、嬉しかったです。

Q 10月7日には門別・川崎の2カ所で同厩舎同日重賞制覇を達成されましたね。

A 私は門別競馬場にいましたが、嬉しかったですね。

Q シーズンオフの現在はどのようにお過ごしですか?

A 主に明け2歳馬の調教がメインですね。私はこの時季が一番大事だと思っています。この頃の馴致が大切なんです。順調にいっています。

Q 目標を教えて下さい。

A 昨年が出来過ぎだったので、『何だ今年は!』と言われないように頑張りたいですね。



最優秀勝利回数騎手賞
最優秀賞金収得騎手賞

戸崎圭太 騎手(大井)


Q ダブル受賞となりましたが、いまの気持ちを聞かせて下さい。
A 嬉しいです。馬主様、調教師の先生方、スタッフの皆様に感謝しています。

Q 勝利回数1位に加え、昨年は南関東の4場すべてでリーディング(過去には佐々木竹見騎手・内田博幸騎手が達成)を獲得しましたね。
A 昨年は追いかけられる立場でしたからね。いい馬に乗せてもらえたことが大きいと思います。一昨年、浦和でリーディングを獲れなかったので、昨年は狙っていました。そんな中でも、失敗した部分もあるので、気を引き締めていきたいですね。

Q 内田騎手が南関東の4場リーディングを獲得した時に『疲れた〜』と言っていましたが、戸崎騎手はどうでしたか?
A 大丈夫でしたね!僕はまだまだ若いと思っているので(笑)

Q 重賞も10勝して賞金収得でも一番でしたね
A 賞金の方はあまり意識はしていませんでした。重賞でいい馬にたくさん騎乗できたのが大きいですね。

Q 昨年は1961回の騎乗がありましたが、ベストレースを教えて下さい。
A 通算1000勝を達成したナイキハイグレードの羽田盃が印象に残っています。その日は998勝からスタートで、ひとつ前のレースで勝ってリーチになりました。自信もあったし、勝てて良かった。

Q 戸崎騎手はテン乗りで騎乗することも多いと思いますが、どのような点に気をつけて騎乗をしている のですか?
A 返し馬の限られた時間でいかにコミュニケーションを取れるかが、カギになると思います。癖を掴んだり、意思疎通というか。毎回うまくいくとは限らないですが、大事なことだと思います。

Q JRAでの騎乗を含め多忙な日々だと思いますが、リフレッシュ方法などあるのですか
A 僕の場合は、競馬に乗って勝つことが一番のリフレッシュですね。

Q 最後に今年の目標を

A 地方のみで年間400勝を達成したい。昨年は400勝が視界に入ったのに手が届かなかった。もちろん、南関東の4場リーディングも狙いたいですね。ありがとうございました。



最優秀勝率騎手賞

赤岡修次 騎手(高知)


Q おめでとうございます。今の気持ちは?
A 今年から新設された賞で、新人賞を獲得して以来だったので嬉しいですね。ただ、事前に連絡がなかったので、携帯で自分の名前が載っているのを見るまで知らなかったんですよ(笑)

Q 昨年を振り返って頂けますか?
A 自分が思っていた以上に勝っていた。一昨年の記録(勝率29.0%)を更新できるとは思わなかった。乗り方を認めてもらえて、いい馬に乗  せてもらえたのが大きいと思います。それにしても勝率35.6%って凄いですね。

Q 昨年は7戦7勝とパーフェクトを達成した日もありましたね

A 途中で厳しいレースもあったけど、7戦目は緊張というより、自信があったんですよ。嬉しかったです。

Q 最近は高知以外の競馬場での騎乗も増えてきましたが、気を使っている点はありますか?

A 地元の高知は小回りなので、広いコースに替わった時は折り合いがポイントになると思います。チャンスがあればいろいろな競馬場で騎乗してみたいし、どんな馬に乗っても活躍できるってところをアピールしたいね。馬によって騎乗の仕方は様々ですが、積極的に前に絡んでいく競馬を心掛けています。他の競馬場のことはインターネットなどで、勉強もしています。

Q 今年の目標を聞かせて下さい。

A 重賞をはじめ、全てのレースにおいて取りこぼしはあったと思う。技術的にもまだ伸びシロはあると思うので、全国の騎手を見て勉強したいですね。



最優秀新人騎手賞 長澤幸太 騎手(ばんえい)(写真右)

Q 初年度に65勝、それに加え重賞制覇。新人賞受賞おめでどうございます
A 本当に獲れるとは思っていなかったので、嬉しい気持ちでいっぱいです。たくさんの馬に乗せてくださった関係者の皆様に感謝しています。

Q 初騎乗で初勝利。レースを振り返って頂けますか?

A 接戦だったので、周りの人から言われるまでわかりませんでした。初騎乗初勝利は誇りに思っています。

Q 昨年の一番の思い出は?

A 重賞を勝てたことが大きいですね。自信はなかったし、馬に勝たせてもらった。レースで気を抜く面のある馬だったので、気を引き締めてうまく乗れたと思う。

Q ばんえい競馬の魅力はなんですか?
A 山(障害)ですね。駆け引きもありますし、いろいろと計算してレース運びをしないといけない。そこに 魅力を感じています。

Q 今現在の課題は?

A 減量が取れてから不振なんですよね。早くこの状況から脱却したいです。

Q 今年の目標をお願いします。

A 昨年は怪我をした時季もあったので、今年は1年を通して1頭でも多く乗れるように、そして昨年より1勝でも多く勝ちたいですね。


最優秀女性騎手賞 別府真衣 騎手(高知)(写真左)

Q 4年連続4回目の受賞おめでとうございます。
A 毎年ここに来ることを目標にしているので、嬉しいですし、光栄に思います。

Q 高知ではリーディング5位の67勝。昨年を振り  返って頂けますか。
A 韓国に遠征も行きましたし、内容の濃い一年で した。

Q 韓国での印象を聞かせて下さい。

A 日本の女性騎手レースはお祭りって感覚もあるけど、韓国は調教師さんはじめみんな目の色が違う。地元と違い1周2000Mとコースも広かった。勝てなかったのは悔しいですね。

Q レディースジョッキーズシリーズを振り返って頂けますか?

A 2位で悔しい思いをしたけど、山本騎手が前にいたのはもっと悔しかった。まだまだ足りない部分が多いと感じました。

Q 最近、最速最年少での300勝を達成されましたね
A 意識はしていませんでしたが、記録よりも一戦一戦を大事にしてきた結果だと思います。

Q 最後に今年を目標を
A 年間80勝。ひとつでも多く勝って、400・500勝と勝ちたいですね。



ベストフェアプレイ賞

今野忠成 騎手(川崎)


※ 今野騎手は負傷のため欠席となりました。



殊勲騎手賞

該当なし